父親になったわけだから、いつかはこんな日が来るであろうことをうっすらと想像していたけど。
とうとう、やってきましたね。
小梅が『はいっ』って小袋を渡してきたから、『これ、なぁに?』と聞いたら『ぷれぜんと』って。
ムフッ、俺、父親。
幼稚園に迎えに行った時、先生が『今日はお父さんにプレゼントがありますから』って言ったんだよ。
平日昼間の幼稚園に父親は俺ぐらいしかいないものだから、ヨソのお母さんたちはみんな俺の方を見るわけ。
『どうよ?嬉しい?』みたいな顔をして、俺の反応を見るように。
頼むから、この俺を確かめないで~、ぇあ~。
小梅、どこで覚えたんだか、『おとーさん、おしごとしてくれてありがとー』と言うんだよね。
うん、お父さん、仕事さえ行かなければずっと一緒にいれるのにな。
こんな図々しい連中と絡まなきゃいけないせいで、毎日“悪口を言う”という業務をこなしているよ。
おつかれさま、俺。