地震のどさくさで途切れていたグループカウンセリングは、まだ続いた。
『むしろ、本業務よりも優先させてください』という、ワケのわからない業務命令で、わざわざ早出しての出席。
中身は雑談形式での東日本大震災にまつわるエトセトラ。
雑談といったって、そんなの、面子によるわ。
だいたい、何でいつも俺のグループに部長がいるんだよ？
まぁ、あの地震から感じてることをそのまま言ったよね。
国全体がギスギスしていたあの時期に図々しく、ろくでもない人間性を現した者たちは俺の中に今もデータとして残っているし、それは今後も俺にとって必要のないものとして分類していくと。
そして、それは俺にとって“失ったもの”ではなく、“得たもの”であり、何より、“知ったこっちゃない”は真理だと。
いや、だから、何でいつも俺のグループに部長がいるんだよ？
