鍋の上に鍋が乗っててさ。
下の鍋を取ろうとしたら、上の鍋が落ちたよね。
まぁ、『だから、何?』だわな。
だけど、その鍋の全重量を右足の親指で受け止めたといったら、話は別さ。
チョーーーー痛ぇぞ。
20分ぐらい痺れてて、ずっと声にならないうめき声をあげてたよね。
こういうの、事後報告じゃ痛みが伝わらないから、リアルタイムで伝えたいのだけど、アイータはグースカピーzzz…
やっと起きてきたアイータに状況を説明したけど、やっぱり伝えきれていない気がするので、『こんなに痛いのは5年振りくらいだ』と数字を伝える。
『5年前の痛みって、東山動物園の階段からトントントンと落ちたヤツじゃん』と、まだ3回目のデートで俺がしくじったことを持ち出して。
おい、ナメんなよ。
結婚してからだって、シーツを踏んだせいで滑って、蒲田行進曲だっただろうが。
う~ん、確実にアイータの方がすっとこどっこいだと思っているのだが、どういうわけだか、俺の方が死に近い痛みを食らう。