小梅はさ、最初に予告しちゃうとそこに意識が飛んじゃって、ほかのすべてを置き去っちゃう子。
たとえば、『誕生日になったらディズニーランド行こうね』と言うと、いきなり立ち上がって靴を履き、『でぃずにーらんどいく!』となる。
だから、下手なことは言えない。
親はそれをよくわかってる。
幼稚園の帰り、『行こうかなぁ?』と言ってた程度の風呂屋だったのに、アイータが『おとうさんとお風呂屋さん行く?』とフライングしたものだから、もう戻れない。
コンパでちょっとアレな女の子が『釣りが好き』なんて言ったら、『あ、コイツ、釣り好きだぜ』とレールを敷くのと一緒だ。
まぁ、小梅と風呂屋に行くのは好きなのでいい。
帰りにマックを買ってやるのもいい。
何故なら、ボーナスの小遣いがちょっと増えたから。