この時期恒例の“定年退職者に電話をしてみる”のコーナーで、スネ夫がじいちゃんのケータイにかけてみる。
そもそも、じいちゃんが残した生活臭のする数々の物を総出で整理してる最中だからな。
こんな余計なことをする羽目になってるというのはきっちり伝えないと。
俺は電話をさせるだけさせて、代わらない。
生きてるかどうかがわかればそれでよく、“寂しい老人の相手をする”になってしまうと終わりのタイミングを逃すから。
ホームレスになりかけたじいちゃんのアパートの住所を聞くという指令を出したが、スネ夫は電話口で『“へ”ですか?“ぺ“ですか?』ってやってる。
『「はひふへ?」とか、「ぱぴぷぺ?」とか聞けや』と横で言ってみるが、電話をしている時は電話以外のことが出来ない上に、話しかけると電話の中身さえも飛んでしまうので、話にならない。
結局、“ふぇ”ということで落ち着いたらしいが、それも正解かどうかは怪しい。
会話が役立たずなだけでなく、その後、『じいちゃんに電話してみたよ』ということを誰かに伝えて広げるということをしないのも、もう。
まぁ、元気に暮らしてるみたいよ。
しあわせかどうかは別にして。