12th.

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親父の命日なので、犬も含め、一家総出で歩いて墓参りに行く。

小梅は小さい頃から家の仏壇に南無じいちゃんがいると聞いているので、『なむじいちゃん、おうちにいるのに、どうしておはかにもいる?』と言ってる。

小梅にはまだ難しいよな。

 

『おおきくなったら、おいしゃさんになって“ばんどえいど”と“むひ”で、なむじいちゃんをなおしてあげる』とか言ってたって。

可愛い子だ。

 

古いアルバムを引っ張り出すと、今の小梅にそっくりな幼少期の俺が親父に抱っこされてる。

小梅は写真の俺が誰だかわからないみたいだし、それを抱っこしてるのが“おとうさんのおとうさん”と言われてもちんぷんかんぷんだわな。

 

いつの間にか親になって、こんなわけのわからない世界で腹を立てながら生きて、あの日の親父みたいに我が子を抱っこしているけど、自分の立ち位置はやっぱり“子供”なんだよな。

小梅もいつか自分が抱っこされていた記憶を遠くに置きながら親になるんだろう。

親父や、そのまた親父と同じように。