家の裏のアパートには小梅の大好きな女のコが住んでいた。
女のコは去年まで同じ幼稚園で、しっちゃかめっちゃかな小梅の手をいつも繋いで誘導してくれてた。
だけど、この春から家を新築している都合で隣市の幼稚園に転園したんだ。
転園したあとも、夏まではアパートにいるということだったんだけど、それももうおしまい。
夏休みに入ってすぐに引っ越しの挨拶に来た。
小梅は会えた嬉しさもありつつ、だけど、お別れだということも幼いなりに理解してるみたい。
最後にバイバイをして姿が見えなくなると『おいかける!』と何度か言ってた。
またいつか会えるかもしれないからさ。
そういえば、同じ年中組の女のコも終業式後に他県に引っ越したとか。
こっちは凄く遠いところなので、本当にもう会うことはないかもしれない。
こんなに小さいのに、こうやって別れを経験していくんだねぇ。