切りたい人数と自主退社の人数がほぼ同数では、責任者ということになっている連中がいちばん楽な展開だよ。
切らなきゃいけない苦痛、または『切る』と言っておいて引き留めなきゃいけない苦痛を少しも味わってないんだ、このクズ共。
聞いた話だけど、人員整理の話をしたあとに対象者に向かって『どう?落ち込んでる?』と軽く言ってきたらしいよ。
人の気持ちを察するということが決定的に出来ないのは、こんな状況を招いた今も何も変わらない。
今回、辞めることになったうちの一人は先月子供が生まれたばっかりだよ。
それを自分が切らずとも辞めてくれたぐらいのつもりだろ?
責任を取って腹を斬れ、バカ。
アイータは『そんなに悪口ばっかり言ってて、自分がリストラ対象にならないの?』と言う。
あー、なるかもしれんな。
今まで出会った上司たちはそれでも“自分の意見を持っている”とか“改善に向けて動いてる”とか捉えていたと思うんだ。
だけど、老害ザビエルは違う。
とにかく、自分に意見する者は嫌いなようだ。
そして、退職者にみんなの前で挨拶する機会も与えないという。