他人の事情

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アパートの隣に住んでたジイさんを見かけたので、もともとそんなに話したことはないのに、話しかけてみた。

あの一家のその後の軌跡への興味は俺の人見知りを越えたということだよ。

 

バアさんはよく話しかけてきて結構な衝撃事実を語っていたものだが、情報が小出しなのでこっちでまとめる作業をしなきゃいけなかったんだ。

 

いやぁ、ジイさん、語りましたなぁ。

挨拶程度のつもりが、20分くらい立ち話した。

俺が特に何かを質問したわけじゃないのだが、その家の収入やら病歴やら、数字という数字はジイさんがほぼ喋った。

きっと、話相手が欲しかったんだろう。

 

おかげで、いちばん気になっていた不登校孫の現状も知ることが出来たよ。

今は頑張って働いてるそうで、まったくの他人なのにちょっと嬉しい俺がいる。

 

あと、当時は不死身だと思ってたバアさんが弱ってしまった姿を何度か見かけたけど、聞けばやっぱり不死身だった。