『おい、10時から津波避難訓練だぜ』と隣家の人がわざわざ言いにきてくれちゃって。
アイータは小梅と行くって言ってたけど、俺、行かねぇ。
絶対に本番チックにならないし。
のつもりだったのに、結局、行く。
10時にサイレンが響き渡り、警報が発令されたというアナウンス。
サイレンを聞き、ウチの犬が飛び出してきた。
二年前のあの日、家族が避難するのを見て『私を置いていかないで!』と車を追いかけてきたというが、それと一緒。
ウチの犬は本番チック。
まず、サイレンに驚いて逃げ出した犬を捕まえるところから俺の訓練はスタート。
俺も本番チック。
そうこうしてるうちにアイータ&小梅は先に行き、無事に犬を捕獲した俺は遅れて一人追いかける形に。
二人でさっさと行くなら、わざわざ参加する意味ねぇ。
そんなこんなで母校の中学校に到着。
廊下を歩き、いろんな記憶が甦ってやっぱりムカつく。
何十年も俺の記憶にクズ共と刻まれてる教師たち、嗚呼、偉大だ。
帰ろうとすると、突如小梅が泣き崩れ、何かと問えば、『はやい』と。
どういう設定にしていたのか知らんが、もっと中学校を堪能したかったようだ。
意味はまったくわからないが、中学生になればムカつく場所に変わり、イヤでも深く刻まれるから安心しろ。