火葬した犬の遺骨を引き取りに行く。
骨になってしまうと、お別れを痛感するな。
骨は見た目にも密度が低く、やはり老犬だったんだと改めて思う。
もう一度、頭を撫でてやりたいと思っても、もうどこにも姿がない。
記憶の中にいるだの何だの言っても、触感ってのは振り返って得られる感覚ではなくてね。
いなくなった事実は受け止めてるけど、いなくなった環境にはまだ慣れない。
幼稚園では小梅の同級生が『いぬ、しんじゃったの?』と聞いてきた。
普段はシラーっとしてる小梅だけど、同級生にはそんな話をしてるんだな。
忘れないように犬のことを小梅に話したりしてるけど、それがいいんだか悪いんだか、知らない。
ただ、一緒に散歩したことなんかをこの先も覚えていてほしいんだ。