成人式帰りの若者がちらほら。
その中に、バカ殿。
白塗りで、ちょんまげが立ってる。
ドンと構えていたいとか、ちょっと威圧感を出したいとかはわかる。
だけど、これはただのバカだ。
面白いわけてもなく、ただのバカだ。
まわりの人たちも『ヤバいから触れないでおこう』とかじゃないんだよね。
みんながみんな、『バーカ』って顔してガン見してる。
俺が成人式の時、ウチの婆さんは俺が羽織袴を着るのを楽しみにしてた。
このバカ殿にも親や祖父母がいるんだろう。
やっぱり、バカだと思われちゃいかんのですよ。
あー、どうかな?
コイツらの親は『やりますなぁ』くらいに思ってるのかな?
自分が歳をとってくると、いろんな言葉をしみじみ感じるところあるよね。
“親の顔が見てみたい”とか、“お里が知れる”とか。
あ、“類は友を呼ぶ”もね。
このバカ殿の仲間にピッコロ大魔王がいたもん。
そして、『おー、ピッコロ~』って呼んでた。