まず、俺は貝というものが嫌いだ。
あの、海の香りを凝縮させた風味は殺人級じゃないか。
なのに、潮干狩りふたたび。
GWということもあって、人だかり。
何ていうか、納得したいんだよね。
『おぉ、こんなに採れたぜ』って。
だって、素人どもが採れたの、採れないのと話してるから。
こっちは小学校の校歌でも歌詞に“海”を入れるしかないくらいの浜っ子だぜ。
アイータなんて、“あいのしるし”に『海が見たい』と書いたばっかりに、海しかないところに嫁に来たわけだし。
というわけで、アイータも小梅も一緒。
小梅は一人浜辺で黙々と砂遊び。
いや、“黙々と”ではないな。
ずっと、喋り続けているはずだ。
時折、親を見失い、キョロキョロとしてる様がまた可愛いのだ。
そんなこんなで、まぁ、採れた。