小梅にどこに行きたいかを聞くと、昨日、遠足で行った公園がいいと言う。
いや、それは思い出が混乱しないためにも避けた方がいいだろうと別の場所を推すが、何が何でもその公園がいいと言う。
よっぽど楽しかったらしい。
言い出したら食い物で釣る以外は絶対に譲らない子なので、その公園に行く。
そこにはプラネタリウムがあり、昨日は見ていないようなので入館。
静かにする場所だと諭し、親子三人で天井を見上げる。
オープニングでは海の中からの目線映像でイルカなんかが泳ぎまわっていたが、静かにする場所だと言われた小梅は小声で話しかけてくる。
『ねぇ、おとうさん』
『ん?』
『うみのなかにいるみたいでしょ?』
『そうだね』
『でも、ここはへやのなかだよ』
『そ、そうだね』
小さい頃、おとうさんとプラネタリウムに行ったなぁ…くらいに覚えてくれてりゃいいわ。