俺は『行く理由がひとつもない』と言う。
アイータは何か義務みたいに『行く』と言う。
『行く』と言っても交通手段がはっきりしていないし、かといって時間が経過すればどうにもならなくなるだろう。
というわけで、富士山あたりの宿を予約した。
俺、まったく関係ないのにそっちの方へ行くらしい。
まぁ、小梅と二人でホテルの朝食バイキングとかを楽しむよ。
せっかく富士山の方へ行くのだから、翌日は富士急だか何だかへ行くことになるかもしれない。
その時、アイータはあの桜島で迎えた朝みたいな感じなんだろう。
夜勤のつらさを味わうがよい。
あの人、鹿児島港に着いた時に普通の会話の途中で急に手を上げてタクシーに乗り込んで行っちゃったからね。
思えば、あの頃、チャットの落ち方もそうだっただろ?