金と銀

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アイータが数日前から髪結いのゴムがないと騒いでる。

まず、アイータの『なくなった』は、ほぼ“その辺に置いてある”なので信用していないのだが、今回も案の定、布団の上にあったわけです。

 

『君が探しているのはこの金の髪留めかね?』

『いいえ、私が探しているのは銀の髪留めです』

 

まさかの面白返しだったので笑ってしまったが、つまりは金も銀も手元になかったということだ。

金に至ってはなくなったことすら気付いていないという。

 

そんなことはさておき、今週は夕方からの勤務。

今日はやることがあることが確定の日なので、行きたくなさも倍増。

 

アイータは『あなた、行きたくないなら無理して行かなくていいのよ』などとは言わず、『やることがあるのが普通なのに、何なの?』と。

 

うん、何なんでしょうね?

 

俺、働きたくなさだけで『私が落としたのは金と銀の斧です』と即答してしまいそうだ。