某鉄道会社の株主優待の乗車券が抽選で当たるというので応募したんだ。
シルゾーにも応募してもらった。
もう一人にも応募してもらった。
結果、俺とシルゾーは当選。
シルゾーに『いつも俺のことを「どっちみち不正解」と言うけど、当たらなかったの一人だけじゃないっすか』とハズレた奴に言わせに行ったんだ。
相手には予め、シルゾーがそう言いに来ることを伝え、いつもなら『うるせー』でパンチのところを今回は『あぁ、そうだな…何で俺だけ…』と沈む姿を見せて戸惑わせるというシナリオで。
シルゾーがやって来たので、隣に座っていた俺はシルゾーに席を譲った。
だけど、シルゾーが座ったのは対角。
得意気にシナリオ通りの台詞を吐くシルゾー。
『っていうか、おまえさ、そう言ったらパンチされる予定なんじゃないの?』
『まぁ、そうだよね』
『何でパンチの届かないところに座っちゃってるわけ?』
『あ…』
ほら、どっちみち不正解。