義父の葬式を済ませ、名古屋をあとにする。
海老名SAの手前、実験だか何だかで一車線潰してるけど、普通に大渋滞するだろ、そりゃ。
すっかり夜になってしまったので、3日も風呂屋へ行ったのに4日目も行きたがった小梅の希望通りになる。
運転に疲れつつも地元に入った頃、前方に白緑に発光する物体が静かに落下するのを見た。
アイータも同じものを見て、『何だ、あれ?』と言った頃、消えていったんだ。
そんなに高い位置じゃないんだよ。
わりと近いところで。
『じいちゃん、来たのかな?』
もしも俺が死んでも、千の風になるような面倒くさいことはしないと常々言ってるし、義父も俺に近いメンタルのような気がするから疑問ではあるけど。
何て言うか、死んだあとの世界があると考えていた方が希望があるじゃない。
“もう二度と会えない”ではなく、“またいつか会える”の方が。
だから、あれはどこぞの教授がプラズマだとか言っても、『いや、名古屋じいちゃんだ』にしておきたいよな。
じいちゃん、娘の嫁いだ土地までサヨナラを言いに来たんだよ。