必要のない車中泊で朝を迎えた俺は、やっとアイータ実家へ行く。
小梅は父ちゃんの到着を待ちわびていたらしく、表に出てきて大きく手を振る。
そんなに待ちわびていたのに、名古屋にはわりと早く着いていたのに、父ちゃん、車中泊。
今日は小梅と二人でお出かけ。
流れるプールやら、スライダーやら、造波やらあって、料金のわりに充分楽しむ。
帰りは俺の本目的である手羽先を食いに風来坊へ。
カウンター席に親子並んで座り、コーラで乾杯。
小梅は『ここへ来たら手羽先を食べなきゃ』とか、それっぽいことを言う。
何でも、“名古屋メシ”はイヤだが、手羽先だけは別らしい。
しかし、アレだね。
全部を子供に合わせて甘口にしちゃうと、何だか物足りないね。
よく見たら、隣の家族は子供用とは別に注文してる。
そういえば、俺も店員さんに『味付けは全部一緒でいいですか?』と聞かれたわ。
つい、『はい』と言っちゃったんだよね。
次からはちょっと勇気を出して注文してみるよ。