それでも朝は普通にやってくる。
一夜明けて、朝礼で彼の直属の上司から逝去の報告があった。
トップであるマダガスカルはそのあとにマヌケ面で『涼しくなってきたので風邪をひかないように』。
一緒に働いていた仲間が亡くなっているのに、黙祷もないどころか、そもそも彼のことには一切触れない。
何なんだ、このやろうは?
部内でも数少ない状態を知っているうちの一人だったくせに見舞いにも行っていない。
これまでも定年退職者に無関心だったり、部下の親の葬式も顔を出さなかったり、東日本大震災の時の言動だったり、かなりのクズでカスだとは知っていたが、ここまでか。
コイツがのうのうと生きてる理由は何なんだろう?
俺の本業は悪口と悪ふざけだと常々言っているが、その相方は死んだ彼だ。
いなくなったら悪ふざけにもならず、ただここのカス共を一人で受け止めることになる。
定年までつまらないことが確定した。
そして、これまでに感じていたここのカス共の人となりは少しも間違っておらず、金輪際、くそくらえのスタンスで構わないということも判明した。
まさか、自分が去る時に花道を飾ってもらえるなんて思うんじゃねぇぞ、このやろう。