今日、8ヶ月間の闘病を経て45歳で亡くなった彼が火葬された。
まだ小さい娘が泣いているのを見ていられない。
この子はまだこんなことを経験しなくてもいい年齢なのに、どうしてこんな寂しい思いをしなくちゃいけないのか、どう考えても理由が見つからない。
まだ抱っこされてもいい年齢で、おとうさんの遺影を抱え歩く姿がまた悲しい。
何より、本人がいちばん無念だろう。
娘の結婚相手を見極めなきゃいけないと常々言っていたのに。
俺は俺で勤務時間中の9割は彼と一緒にいたので、空っぽ。
昨日も仕事中に姿を探したけどどこにもいないから、名前を呼んで『会社つまんねぇよ…』と独り言を言った。
俺が一人で旅に行くとか、カラオケに行くとか、まったく理解出来ないと言っていた彼。
一人で店に入るのが苦手で、牛丼屋でさえもためらうと。
終業時刻の早い俺が帰ろうとすると袖を掴んで『まだいいじゃん』と引き止め、俺が夕方からの勤務の時は自分はとっくに終業してるのにいつまでも帰らない。
そんなに一人が苦手なくせに、一人でどこに行ったんだよ。