富士の国

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朝霧高原で迎えた朝。

景色を見渡せば、障害物がなく富士山が見えるポイントがある。

 

よーし、ここから富士山を引きずり出すぞー!

行ぐどー!

行ぐどー!

 

だいたいこのぐらいの時間だろうと思ったところからずいぶん昇らない。

平地と山とで誤差が結構あるようだ。

そうこうしてるうちに、ボクちゃん便意

 

今、便所に行ったら朝陽が昇ってしまうのかどうなのか悩んでいるうちに、そうも言っていられなくなったので『まだ昇るな』と祈りながら放便。

慌てて戻ったらまだだった。

 

小梅も寒い中、写真を撮ると張り切って待つ。

 

太陽が昇ってきた。

美しい。

実に美しい。

 

写真で見るのとは違う光景が今ここに。

 

アイータは雰囲気を出そうとしているのか、長渕剛の唄を流す。

小梅は『音楽止めて!』と言う。

父ちゃんからもお願いだ。

今、とっても邪魔。

 

アイータは富士山LIVEの再現的な動画を撮りたかったらしいけど、富士山LIVEに行っていない俺はそんなの知らん。

『朝陽を引きずり出すぞー!』には乗っかってるだけだ。

 

それにしてもいい光景を見た。

『富士山は毎日顔が違う』と言ってここに通う人の気持ちがわかった気がするよ。

 

でも、俺は働かなきゃいけないらしいので帰る。