寝る前に父ちゃんの上に乗り、しばらく顔を引っ付けたあとに転がして落とすという謎の儀式は10歳になっても続いている。
っていうか、そろそろ一人で寝てくれないかしら?
宿泊学習とか、どうするのさ?
そんな謎の儀式の途中、父ちゃんの顔をクンクンし、『おとうさんの顔がヘンなニオイ』と言う。
『ヘンなニオイって、どんなニオイ?』
『わかんないけど、ヘンなニオイ』
『だから、何系のニオイ?』
『おっさんのニオイ』
あれ?
俺、華麗な加齢のアレ?
アンタの父ちゃん、もうすぐ50歳だ。
華麗にもなるだろう。
え?
嘘?
マジで?