一泊の宿泊学習を終え、小梅が帰ってくる。
なのに、父ちゃんは夕方からの勤務なので会えない。
昨日の朝、バスが走り出すのを見送った時なんて戦地に送り出すぐらいの気持ちだったのに、会えないなんて。
いつでも車中泊出来る状態になっているので、昨日は深夜の仕事終わりに小梅の宿泊学習先まで行ってしまいたい気持ちを抑えたんだぜ、俺は。
『ただ一目、嗚呼ただ一目、あの子に会いたい』という思いで、出勤と小梅の帰りのバスがすれ違うように車を走らせるが、会わない。
ちょっと停車してまで調整しても会わない。
会社に遅刻してしまうので、あきらめる。
深夜、仕事から帰ると就寝中の小梅。
寝ている小梅の頭のニオイを嗅ぐのが日課だが、今日は多めに嗅いでおいた。