鎌倉の長谷寺へ行ったのは3回目。
1回目は2000年の9月だった。
親父が死んだばっかりだったし、『そんなものなどない』と思っていた俺にストレスというものを教えてくれちゃった連中がイヤで参ってた頃。
その時に見た十一面観音菩薩像はただただ憎たらしかったんだ。
『天上からすべてお見通しみたいな面しやがって』と思って、9mあるその姿をしばらく見上げてた。
【好きが極楽、嫌いが地獄】
心の有り様で仏像の見え方も変わる。
きっと、何事もそうなんだろう。
あの時以来、十一面観音菩薩像を見てもそんなことは思わないが、人間村で生きてることには変わりなく。
今の環境もかなりのアレだけど、『改善されると悪口を言えなくなるから改善しなくていい』と言えるくらい対象がバカだし、俺にも余裕があるんだろう。