高校生の頃、泊まりに行った先輩の家のテレビに映っていた“親子ジグザグ”。
それまでの俺は順子を歌っていた人がクネクネし出して『アイムアスーパースター!』とか言ってるくらいのイメージしか持っていなかったし、そもそも、順子を歌っていた人は長渕剛という名の長江健治だと思ってた。
そんな中、ドラマの中の長渕剛が【勇次からくそばばぁへの三ヶ条】と言って、母親に迫るシーンを見る。
何か、ゾクゾクしたんだよね。
“ろくなもんじゃねえ”で出演した歌番組はハーモニカと『ぴいぴいぴい』と、今までに見たこのない絵で。
俺はそれで長渕剛にハマったんだ。
あの時、先輩の家のテレビが点いていなかったら。
あの時、くそばばぁが李麗仙じゃなかったら。
きっと、違ってた。
ばっちゃん…。